プラセンタエキス・注射薬
ヒトのプラセンタは注射薬に、ブタのプラセンタは化粧品などに
一般に、人間やブタなど哺乳動物の胎盤から抽出されたエキスのことをプラセンタエキスもしくは胎盤エキスと呼び、人間のプラセンタエキスは注射薬、ブタのプラセンタエキスは内服薬や健康食品、化粧品に利用されています。
また、ウマのプラセンタエキスを使った商品も最近では存在し、一部の化粧品や健康食品に配合されています。
植物性のプラセンタやマリンプラセンタという商品も良く見かけますが、本来の「哺乳動物の胎盤」という定義から言えば、効果には疑問が残りますので弊社では扱っておりません。
注射薬以外の製品は一般的にブタの胎盤を原料にして作られていますが、ここでも十分な安全管理が行われています。これらの原料は食用として認められている基準のものを使用しており、高い安全性を誇っています。
各原料メーカーによって異なりますが、十分な健康管理・衛生管理体制を持っている農場から原料を収集しております。
原料に対する検査項目は一般にオーエスキー病、豚流行性下痢症、伝染性下痢症、萎縮性鼻炎、マイコプラズマ肺炎、豚赤痢、サルモネラ・コレラ・スイス感染症、トキソプラズマ病などが挙げられ、メーカーによってはより厳しい自社基準を設けているところもあります。
また、製造過程の段階で熱による不活化工程をも行っていますので感染症の心配はなく、品質・安全性は確保されています。
プラセンタ注射薬
プラセンタ注射薬とは、医療用として厚生労働省が認可した注射剤で、
メルスモンとラエンネックの2つがあります。
メルスモン・・・更年期障害、乳汁分泌不全改善の保険適用薬
ラエンネック・・・慢性肝疾患における肝機能改善の保険適用薬
そんなプラセンタ注射薬は、代替医療や再生医療でも活躍が期待される統合医療の申し子ともいえる存在なのです。
昨今では、全身への様々な作用が確認され、更年期障害・肝機能障害以外の疾患や美容目的など、幅広く医療機関で使用されております。
プラセンタ注射の危険性について
注射薬は、日本国内において正常分娩で生まれた人間の胎盤のみを原料としています。
製薬メーカーは複数の特定医療機関と専属契約を結び安全な胎盤を安定して入手する体制を整えています。
妊娠入院時に血液検査を複数回行いますが、ここでエイズやC型肝炎等の検査をし、感染の恐れのない方の胎盤だけが原料として選定されます。
尚、プラセンタ製剤を製造する人に対してもしっかりとした感染症対策が行われます。
この後、メルスモン注射薬では塩酸の加熱処理(101℃以上、1時間以上)及び121℃、60分以上の高圧蒸気滅菌を行い、さらに最終滅菌として121℃30分の高圧蒸気滅菌を行います。
ラエンネック注射薬では酵素分解法(121℃・20分)を行い、完全にウイルスや細菌は感染力を失います。
さらに医薬品としての無菌試験や動物試験等が行われ、製品の品質や安全性が確保されています。
最終的に国の認可を受けて「医薬品」として販売されているものなので、その安全性は極めて高いと言えます。
医薬品や健康食品との相互作用
医薬品や健康食品との相互作用に関してですが、プラセンタエキスの医薬品、ラエンネックのインタビューフォーム(医療関係者向けの情報提供書)には「本剤と併用することにより、本剤または併用薬の薬理作用の増強または減弱、副作用の出現または疾患の増悪が生じることが報告されている薬剤はない」とあります。
よってプラセンタエキスが配合されている商品と医薬品、健康食品との相互作用はないと言えます。
但し、医薬品と同時にプラセンタを服用される場合には治療に思わぬ影響を与える場合があるので、服用前にかかりつけの医師又は薬剤師にご相談下さい。